出会い。  【 D3フィールドスタッフ 前田洋一 】


この日ぼくは山奥の渓に久しぶりの単独釣行を満喫していた。

タイミングも良かったのか魚は好反応。
だが、さらなる上流を目指して行くと、そこに居たのは…ヒグマ。


しかも、餌を探しているのか足元を嗅ぎ回りながらこちらに向かって歩いて来る。

 ・ ・ ・  これはヤバイ! 


“背を向けて逃げてはいけない”

“走ってはいけない”


頭で分かってはいるけど、
相手の様子を確認しながら今までヒィヒィ言いながら釣り上がってきた
大きなゴロタ石の河原を カモシカの様に軽快に逃げる。

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当然、クマの写真なんて撮る余裕は無かった。


しばらくの間、一定の距離を保って付いて来たクマも、
途中で諦めたのか笹藪の中に入っていったので、難を逃れることが出来た。


車の運転中に見たり、
気配や匂いを感じた事は何回かあったものの、
ここまで至近距離で出くわしたのは初めて。


風鈴の様な、優しい音色のクマ鈴1つで、
何の対策も無しに山奥まで入ってしまった自分の準備不足が招いた最悪の「出会い」。



帰路の途中で
引きつった顔のまま、デカい音の鳴るクマ鈴と撃退スプレーを購入し家路に着いた。


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熊対策は大袈裟なくらいでちょうどいい。