Third time lucky 【D‐3フィールドスタッフ 前田洋一】

「イトウだな。」
強烈な当たりに合わせた瞬間そう思った。


僕は過去に2度この立ち位置で敗戦を記している。
1度目は足元までのチェイスに気付かず・・・
2度目は一気に対岸まで突っ走られフックアウト。
完敗だった。


しかし今日は自信があった。

ナイロンリーダーとスナップは結び直したばかり。
喰らい付いたダリア75Sピンクは、万が一にそなえチヌ針8号に昨夜のうちに交換しておいた。
僕の淡水用タックルの中では最強の布陣だ。

ダリア_8638


掛けてから数分、対岸のストラクチャーから離れた魚が
流心に入った時に姿が見えた。

「デカいな…。1メートルくらいある…。」

急に腰元の特大ネットがとてもたより無くおもえた。

「どう取り込もう…。」
「ずり上げるにしてもフッキングはしっかり決まっているのか?」

失敗は許されないサイズだけに不安がよぎる。

数分が経ち、なんとか足元まで寄せた魚の顔を見て「ぼくの勝ちだ」と思えた。
今にも飲み込まれてしまいそうなダリア75Sのベリーフックが上顎をガッチリ捕えている。

浅瀬に誘導し、抵抗が収まったのを見計らい浅瀬に誘導。

youichiito1.jpg


100cmには届かなかったけれど横たわる完璧な魚体を見てしばらく放心状態。


手早く数カットの写真を撮影してもらい、ゆっくりと流心に帰っていく魚を見送ると
ちょうど正午を知らせるサイレンが遠くで鳴った。


まだまだ釣りをする時間はたっぷりあるが僕は笑顔でタックルをたたむ。

「何か美味しいもの食べに行こうか。」

家に戻ると妻にそう伝えた。